怨む/飴/愚鈍 山奥の叔父が暫く下りて来ない。私も縁談中で訪ねてゆけず日々が無為に過ぎる。少壮の士官という相手が冷酷としか映らないのは叔父が頭にあるせいだ。あの狐娘は叔父と情を交わしたのだろうか。苛立つ思考はどうどう巡りに沈み、ある晩猫いらず入りの牡丹餅を作った。小豆は旨く炊けたから狐も喜ぼう。