石に石を継ぐことでいしびとが生まれる。それぞれ単独の石として眠っていた石同士が、合わさることで混ざり合った不安定がいのちなのだそうで、いしびとは一人として同じ歌声のものはなく、一人として同じ不安定のものはない。
私が石継ぎをしているのは、この星が他の星と星継ぎされたからだ。日々雪崩れ込んでくる異種生物や未知の物質に暮らしは侵食され、逆にこちらの様式や法則が向こうに混沌を引き起こす。
こうなる前の世界で、私は歌を作っていた。刻々移り変わる天気を、奔放に伸びゆく草花を、あるいはビルや本やピアノや時計を、身の周りの森羅万象の歌を聞き、また歌っていた。
今、新たな世界体系になる前の混沌に在って、それをミクロで体現するいしびとの中の混ざり合いと似たものを、あるいは違うものを、黄緑色の天気に、草花の燃え方凍り方に、無生物の呼吸音の高低に見出したく、私はいしびとに囲まれて再び歌を聴いている。すでに喉ではないかもしれない私の喉から出る歌は、いしびとの歌に、その外の風ではないかもしれない風に混ぜ込まれていく。