悲しむ/帽子/魔術師 狐なので人間の大戦は話に聞く程度だ。その時分少年兵だった良人は異国へ引っ張られ、能力者だけの秘密部隊に置かれた。始め前線で盾に使われたが、護れる範囲に限度があった。逸らした弾が別の仲間に当たってね、その人らの断末魔が次々押し寄せてくるんだ。彼のそんな記憶に狐は決して深入りしない。