蝶/星空/ぽつり 今年も蝶がひらひら寄ってきた。羽を見ると私宛ての恋文である。戦に取られ死んだ前夫からだ。お前が恋しい時は蝶に心を託すなどと柄にもない事を言ったせいか虫けらのような最期だったそうだ。今の夫と結ばれたいばかりに前夫を戦に出したのは私だ。まとわる蝶は目をつぶっても闇にちらつき離れない。