嘘つき/十分間/災い転じて
十分だけ願いを叶えるという悪魔に、彼は三十年前の十分を指定した。家族旅行に出かける時間を十分遅らせたのだ。結果飛行機に乗り遅れた一家は墜落事故を免れ、彼の家族も死なずに済んだ。が、キャンセルした航空券を取って全員亡くなった別の家族の一人はそののち彼の恋人となったはずの少女だった。
制服/金髪/三秒間
笑いの止まらない悪魔は、駄目推しに三秒間だけ願いを叶える約束を彼に持ちかけた。考えに考えた末、彼は十分前の三秒を指定した。悪魔は髪を逆立てて怒ったが約束には従うしかなく、結果この話の作者はこの話を書く途中の三秒間悪魔の設定を忘れ、悪魔は書かれないまま物語は進み、誰も死ななかった。