諦める/衛星/愚鈍 山奥の叔父含め家族で婚約者と対面中だが、実感が湧かず相手の顔を盗み見る。端正な造作の為か叔父より年上な為か、私へ微笑む顔はまだ冷たく思える。やあ奇遇だ、彼は軍時代の部下でね。婚約者が叔父へ目を遣り、叔父がご無沙汰でしたと一礼する。その表情が常の叔父に似ず重いのも思い過しだろうか。