偲ぶ/方位磁針/無感動 方角を失い妙な山村へ迷い込んだ。村人は皆赤い帽子を被った子供、小さな家々も赤い丸屋根だ。ここの事は内密にと頼まれたが下山後つい話してしまった。と、女が幾人も山へ入ってゆく。間引いた子や夭逝した子が住む村の伝説があるのだ。件の場所に村はなく、赤い笠の茸が一叢。食うと子供に会える由。